“博せ” 関口知宏 本人による曲の解説です。 

 

 

せまくらちよこ 『伊豆の牡丹花』

今聴くと逆に新鮮なものといえば、演歌の場合「生演奏」と「日本調なリズム」と「好いて添えない時代」的な歌詞。そう思いついて、実験に作ってみたら出来ちゃったのが、この一曲。島倉千代子さんをマネしたかったわけではなく、実際大して似せていないのですが、聴いた年輩の人たちから口々にソックリと言われます。実はその錯覚こそが、「生演奏」と「日本調なリズム」と「好いて添えない時代」的な歌詞の雰囲気によるもので、それらが今の演歌の世界から消えてしまった証拠なのです。歌の魅力の不思議さは、なぜか「不自由さ」から生まれる点。もしかすると色々なことが「自由」になった現代にこそ復活すべきジャンル?

 

 

せッキー・キング 『魂のブルース』

 自分の声を低くしてみたら黒人さんっぽかったので、試しに作ってみた曲。ブルースは構成がシンプルで、奥は果てしなく深いけれど、実験レベルにも向いているのでやってみたら、思った以上にそれっぽくて、作った自分がビックリしました。ちなみに、普段私たちが外国の歌を聴く時に「うまい!」と感じる理由は、一つは当然「歌唱力」ですが、実はもう一つあります。言語の「ネイティブさ」です。試しにプロの日本人とその国の素人とに歌ってもらうと、意外や後者の方が断然うまく聞こえることが少なくないのです。ということで、この曲は「歌唱力」よりも「発音」に力を入れてみる実験でもありました。

 

 

アラブ娘 『モスク』

 日本ではあまりブームにならないアラブ音楽。しかし聴いてみると大変に魅力的です。歌も高度なもので、これは実験のし甲斐があるということで、作ってみたのがこの曲。またもう一つの動機は、日本人は世界のものをマネするのが上手いと言われている点。あまり良い意味で言われていませんが、とんでもない。実は日本人が世界一世界を理解できる証拠なのです。日本人の手にかかれば世界平和も夢ではないほど。それを日本人は今こそ音楽でも示す必要があり、その意味ではアラブ音楽も出来るようになる必要があるんですゼ。

 

せッチモ 『ボンネット・カフェ』

 声の高さをテープスピードで変えるのと、ただモノマネするのとでは、どちらの方が違う人に聞こえるものかの実験。ただ、こんなにサッチモに似るとは思いもよらずビックリ。遥か戦前からラジオでジャズをかけていたDJで、サッチモは聴き込んできたはずの熱海のボンネット・カフェのマスターが、「本当に君なのかい!?」「本当にサッチモじゃないのかい!?」と言ったほど。の、乗り移った!?(怖) なんの実験だったんだっけ。。(汗)

 

 

Dr. JAZZ 『The Latin !!』

 南米で演歌を聴くのと、熱海で南米ジャズを聴くのとでは、どっちが南米にいる気分になるかの実験。なんと後者の方が南米にいる気分になることがあるのです。人間は現実と想像の内、想像の方にリアリティーを感じるようにも出来ているからです。町興しが流行りの日本。特産物などの目先の実利ばかりに意識がいきがちですが、音楽を通して町を見てみると、思わぬ魅力を発見できるかも知れませんゼ。熱海ドライブの際は是非この曲を。南米にお越しの際は是非せまくらちよこを。笑

 

 

せ・ジョンウォン 『よくある韓流バラード』

 うちの母ちゃんがあまりにも韓流ドラマにハマりすぎて、ここ何年もの間いつも実家のテレビが韓流ドラマなもんで、実家など数ヶ月に一度、ほんのたまに行くことがある程度なのに、バラードのパターンも、たまにセリフの韓国語もわかるようになってしまったのです(泣)。もはや韓流バラード作れちゃうんじゃないかと思ってやってみたら、案の定ものの数秒で思い浮かんでしまった一曲。「クゲチョンマリヨ?(まじで?)」「イエ、ゴンラナンゴシニダ。(ええ、困ったもんです。)」

 

 

楽団ひとり 『4126』

 ワタクシが住んでいるのは伊東。伊東といえばハトヤ。ジャズが好きなワタクシと致しましては、やはり欲しくなるのがハトヤのジャズバージョン。ウェス・モンゴメリーの「フルハウス」に因んで「風呂ハウス」あたりでどうよということで実験したのがこの一曲。気付けば演奏から男女コーラスまで全部自分というサミシイことに。。まったくこの実験、どこまでいってもひとり。楽団ひとり。これで動画に手を出したら次は映画ひとりか? 実験の結論:「遂にひとりっ子の面目躍如、器用貧乏時代到来ですな。(ToT)」